労災保険
2017/06/25
住宅・改修、非住宅部門等から予測するリフォーム業界の今後について
今回は過去3年の統計情報について簡単に分析してみたいと思います。
国土交通省の統計は半期ごとに出されるので、28年度は半期のみとなっています。
添付資料:3年のデータを簡単に纏めてみましたので、ご覧ください。
(伸び率の数値は概算での数値となります。)
・受注高
住宅・非住宅共に堅調に伸びており(年20%伸)、金融緩和や観光客の増加による宿泊・娯楽施設建設や修繕、都市部に隣接するベットタウンに居住地域が拡大(交通インフラの整備やライフスタイルの変化)等による影響であると思います。
今後は人口減少が進みますが、オリンピックや万博に向けて観光客の増加に伴う需要は拡大していくと思います。
・工事種別
住宅部門は増築(年平均80%伸)・改装改修(年平均80%伸)、非住宅部門は改装改修維持管理(年平均90%伸)が堅調に伸びています。
新築よりは、古いものを修繕したり、リフォーム・リノベーションすることによって再使用する傾向が強くなっていますし、昔のように自分の家を所有するという価値観から、個民家を借りることも増えています。背景には人口減少に伴う各地の空き家問題も関係しています。
・発注者別
住宅では個人の部門が年々倍増、管理組合も堅調(年平均90%伸)、非住宅についても民間企業が堅調(年平均85%伸)となっています。
これは政府による公共政策が主流となっていた時代に比べ、個人が豊かになったことで施主の層が変わってきたことを表しています。
個人の施主は用途も多様で細かな要望も多くなるため、様々な技能やノウハウ・情報や知識を持った上で提案を行っていくことが大切であると思います。
・工事部位
どの年も、給排水設備がトップとなり、内装や外壁・電気設備と続いています。
また、震災や津波等の自然災害に向けた防災設備の内容も多くなっています。
・目的の上位
どの年も大半を占めているのが、修理や修繕となっています。一部、省エネやバリアフリー・防災もありますが、件数の数値で見ると圧倒的となっています。
20年・30年前に大量に建築した建物が、経年と共に老朽化し、再使用していく中での修繕サイクルとなっており、修繕に関しては今後住宅関連だけでなく、道路や橋等のインフラも需要としては高く、人口が減っていく地方では維持管理が課題となっています。
今回は簡単な説明のみですが、統計は過去の数字から未来を予測していく技術となります。未来を明確に予測することは誰にもできませんが、予想することはできます。そのためには考える材料が必要ですが、唯一と言っても良い教科書が過去の歴史やデータです。
皆さんもデータや歴史の出来事に習って、未来を予想してみてください。