今回は、決済方法について便利なサービスを紹介したいと思います。こちらは海外のベンチャーキャピタル（Yコンビネーター）が開発したサービスです。
　その内容は、建設企業が請求書を処理し、下請け企業などの銀行口座にオンラインで支払いを行うというものです。とてもシンプルなように感じますが、これにより今でも請求書をFAXで送り、支払いは小切手か普通郵便で送られるパターンも少ないくない業界で、紙を使っていることの多い事務処理をデジタル化することができるサービスです。
　建設業界は数十社もの下請け・孫請けが関わり、各社が請求書を発行します。この請求書は複数の文書の束であることが多く、完了した仕事の詳しい科目分類や、署名入りの法的文書・コンプライアンス関連の文書が多々あります。そこに一つでも日付の間違いなど誤記があると、決済が遅れてしまうこともあります。現在、下請法などでも問題となっていますが、建設業界は工事という仕事上、支払いサイクルが長い状況（９０・１２０日以上なども）にあり、長くなってしまう要因として、工事という作業を通じて建物を完成させ、大きさや規模・人員も多く必要であり、天候などにも左右される等があります。
　量販店やコンビニで扱われている、一般的なコモディティ商品などと違い、在庫をいくつも保管しておくことが難しかったり、材料費の高騰などから思うように工事が進まない場合もあり、以前からパッケージ型の建物や部材も増えているので改善はされていますが、決済内容までは至っていないことも多いのが現実です。
　工期が長くなるほど、従業員の給料や経費を賄っていくためにはキャッシュが必要になり、元請けや施工主はその立場上、胴元を握っているという側面もありますが、下請け孫請けと連携してこそ・分業や効率化・多様な展開へと繋がることを考えると、スムーズで透明性があり、協力関係を深めていける方法を検討するべきだと思います。

参考
・ベンチャーキャピタル：高いリターンを狙って、積極的な投資を行う投資会社
・下請法について（参考：公正取引委員会HP）
　http://www.jftc.go.jp/shitauke/