労災保険

2017/08/06

給与は上がっても過重労働で自殺者まででる建設・建築業界の人手不足

給与は上がっても過重労働で自殺者まででる建設・建築業界の人手不足

今回は国を挙げて取り組んでいる「働き方改革」と人材不足による影響の話題について考えて見たいと思います。
先日のニュースの内容ですが

東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場建設の工事を請け負う建設会社の新入社員の男性=当時(23)=が3月に自殺したのは、残業が月200時間を超えるなど過重労働が原因だったとして、遺族が労災を申請した。

このような内容がありました。
 建設業界でも工事需要の伸び・人手不足・管理報告作業の増加等により仕事量は確実に増えています。仕事量に比例して給与も上昇し、2017年3月期の上場企業の平均給与を業種別に見ると、建設業が711万円と全業種でトップで、前の期に最も高かった金融・保険業を抜き、唯一700万円を超えたということもあります。給与上昇という面を見れば良いことですが、人手不足と人材育成の問題が進行すると、一部の職人や使いやすい人材の負担が急激に増加することも確かで、そこには技術だけでなく労働時間・業務量の格差が生まれます。今回の方も朝の6時頃から翌朝近くまで働くという環境下であり、常人にはありえない労働時間でした。
 自ら命を絶つという決断にまで踏みきらせてしまう背景には、仕事の過酷さと人手不足の表面には見えにくい影響、その状況や悩みを相談し解決できる体制が不十分ではないかと感じました。
 建設業界に限らず、医療や福祉・教育の現場でも問題は深刻で、国を挙げて働き方改革を行なっています。労働時間の制限やストレスチェックなど表面的な対策は進みつつありますが、企業や業界の風土、管理者や権限を持つ人の根本的な思考を変えることが、解決への第一歩であると思います。
 人材は企業や仕事をする上で、最も大切な資源です。技術や商品が最重要と位置付ける企業も多いですが、それを作り改良してきたのは人材ですし、それを継続させるためには、優秀な人材の確保と時代の流れの中での働き方や世代間の価値観を理解し、組織やチームの中に組み込むことが大切であると思います。

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