労災保険
2017/10/22
3分で分かる!建設・建築業界で外国人労働者を受け入れるには
国内の労働人口の減少により、外国人労働者の受け入れを強化し、2016年で在住者20万人を突破しました。
数は増えていますが、実際に労働者としてはどうなのでしょうか。また、一番気になる費用や給与の面はどうなのか見ていきたいと思います。
図は在住者の国籍別のグラフで、参考までに見てみてください。
実は安くない??外国人労働者の雇用
1993年にスタートした実習制度は、外国人を低賃金で安く使うという意味で「現代の奴隷制度」とも呼ばれていますが、 実は日本人を雇用するよりも高くつくこともあります。実習生は労働基準関連法の適用を受けるため賃金は最低賃金以上で、 実習生の監理団体にも監理費(月に2〜5万程)を支払うことになります。そうすると、日本人とそこまで差はなく、 管理費・教育面に対する投資・即戦力の面で見るとマイナスになることも多々あります。
それでも企業が使うのは、「簡単に辞めない」というのが一番の理由です。特別に理由がない限り、 自己都合で他の受入企業に移れない実習が現行で最長3年となっており、入国時の実習計画を認定制にし、受け入れ企業は届出制、監理団体は許可制にすることで、 報酬は日本人と同等・悪質な監理団体も改善命令1回で事業者名の公表するという内容もあります。また、留学生は週に28時間(1箇所の事業所につき)で、 人手不足は専門性の低い単純労働となっており、複数の事業所を掛け持ちで働いていることも多く、時給の良い事業所に偏るということも起きています。 就労系残留資格については専門性の高い外国人のみに与えるということがポイントです。
「簡単に辞めない」のは一時的なこと
外国人労働者が積極的に採用されているのは、人手不足という面もありますが、日本人の中で国内の業種や職種が増えて選択肢が増えたこと、 そして一つの仕事で一生働くよりも自分のキャリアプラン等に合わせて転職する価値観や雇用の流動性が高まったこともあると思います。
今は人手不足の業界に優先的に受け入れが行われていますが、他の業界に広がるにつれて外国人労働者も選択肢や賃金の面でも競争が進み、 簡単に辞める現象が起きてくると思います。
働きたいと思う、魅力作りがポイント
外国人労働者が日本で働くのは、賃金・技能が主な目的です。特に日本人は賃金や技能の他にもやりがい・ワークライフバランスなど様々な価値観に変化しつつあり、 一概に判断するのは難しいですが、本人たちと細かなコミュニケーションを図り、ニーズを理解して受け入れることが大切だと思います。経営者や親方は、 労働者を雇用してあげている、という考えではなく、お互いに一つのチームとして支え合っているという認識を持つことが始まりかもしれません。 外国人技能実習制度について(JITCO・HPより) https://www.nhk.or.jp/keizai/archives/20170617_07.html