労災保険
2017/11/16
建設・建築業界で働く人こそ重要!下請法と注意すべき取引条件
発注者として仕事を任せたり、下請けとして仕事を受けたりする中で、価格や条件など様々な取り決めをしていくことになります。
しかし、その内容は仕事や人間の関係上、お互いが本当に納得できているものでしょうか。
今回から4回にわたって、下請法の内容と価格交渉のポイント、注意すべき取引条件について考えたいと思います。
まず下請法の内容ですが、大きく「4つの義務」と「11の禁止行為」があります。
4つの義務
①書面での交付
(発注には具体的な必要項目が記載された書面を交付)
②書類作成と保存
(取引が完了したら、関係書類は2年間保管)
③下請代金の支払期日を定める
(物品を受け取った後、60日以内の支払い期日を決定)
④支払いが遅れた時の利息
(支払い期日を過ぎた場合は遅延利息を払う)
11の禁止行為
1 受領拒否
(下請け業者の責任がないのに、発注した物品の受領を拒否する)
2 下請代金の支払い遅れ
(60日以内で定められている期日までに支払わない)
3 下請代金減額
(発注時に決定した代金を、発注後に減額する)
4 返品
(発注した物品を、受領後に返品する)
5 買いたたき
(著しく低い代金を不当に決める)
6 物や役務の購入・使用強制
(不当に親事業者の商品・保険・リースなどの購入を強制したり、労働させる)
7 報復措置
(親事業者の違反行為を通報した場合、取引停止や不利益な扱いをする)
8 対価の早期決済
(親事業者が提供する部品などの代金を、期日より早く支払わせる)
9 割引できない手形交付
(金融機関で割引が困難な手形(120日超)を交付する)
10 不当な経済上の利益提供要請
11 不当な給与内容変更
こんな取引には特に注意!
・詳細な説明がないのに価格を減額される
・原料価格の上昇に伴う価格が反映できない
・割引困難な手形を交付される
・技術情報(図面など)を無償提供させられる
・作業員の派遣や、自社商品を購入させられる
上記のような取引は度々発生しており、下請業者は条件に従うしかないという声や状況が大半です。親業者と下請業者のどちらかではなく、どちらも対等でフェアな関係を作るためには、正しい情報提供と意思疎通が欠かせません。
次回以降は、取引のポイントについて考えていきたいと思います。