労災保険
2016/09/25
建築・建設業界は安定している!?AIで変わる未来
今回は2つ目の問題点について考えてみたと思います。
まず、安定しているとは何が安定なのでしょうか。。収入・仕事量・休み、などなど??
時代やライフスタイル・価値観により様々でしょうが、以前から一般的なものとして「収入」「仕事量」であると思います。
まず「収入」と言っても公務員でもない限り、そもそも仕事が永続的にあり、収入が常に安定している仕事ということ自体が不自然な状態でもあると思います。日本は戦後、護送船団方式で落ちこぼれをなくし(平等)、戦争で敗北したにも関わらず政治・技術・食料等の援助を受けました。そして高度成長と共に賃金は年功序列・雇用は終身雇用という価値観や、ある意味の常識を作りました。日本が成長期にあれば良いですが、失われた10年以降ずっと不景気(実体経済の)から抜け出せないままです。この状況や歴史が「安定」を当たり前という意識にしたのかと思います。
日本だけでなく、世界との競争が始まる中で、不景気になるほど企業は生き残りをかけて必死になり、労働者の雇用形態も派遣や非正規・無期限等、多様化し建設建築会社(ゼネコン)は雇用を減らし外注(下請け構造)を多用し過当競争が始まりました。過当競争の先にあるのは末端の職人の給与減額と待遇の悪化、そして技術の伝承や教育不足により日本の世界での競争力の低下を招きかねません。
建設建築は古い業界であるが故に、組織構造や新しいことへの対応変化が遅れてしまいがちです。前述の通り、日本の競争力を強化していくためには職人の待遇改善、つまり時代に合った価値観や欲求を形にしていくことであると思います。それが「収入」「仕事量」の安定です。
前置きが長くなりましたが、まず「収入」で見たときに建設建築業界は大手ゼネコンを中心に階層式に組織されており、利益の分配や調整はしやすく労働組合も強固で給与も守りやすいと思います。そして政治と綿密に関わり公共工事を通じて直接的に国の支援や恩恵を受けやすいため、景気にも左右されにくく安定的な業界でもあると思います。
次に「仕事量」ですが、こちらも政治と連携し、一定量の労働者(全国の労働者人口は6000万人弱で、約4分の1程度は建設建築業界)を確保できるだけの量は保証され、現在は世界から日本の建築技術も注目されており、国内だけでなく視野を広げ挑戦していけば拡大できることは確実です。国内でも人口が減少し建築需要も減ると言われていますが、国土に比べての人口密度を見ると世界でも高く、リノベーションやリフォーム・インフラ工事の需要は伸びていくともいます。
他の業界を見てみると、IT業界はAIや技術の進歩により人間の労働力が入らなくなっており、生産・効率性を突き詰めています。医療や福祉・サービス・公務員・オペレーター等の仕事も人間ではなくても良くなることでしょう。建設建築は機械化が進んでいるとは言っても、重い機材を拾い現場で運ぶ程度で、進捗・労務管理、細かな作業や職人の技術を代替するまでには相当の年月と資金・技術力が必要なので、他の業界よりも後手になると思います。
様々な業界の情報や事情、将来の可能性を加味し、自分の価値観と照らし合わせた時に建設建築業界は可能性が多く、やりがいのある仕事でもあると思います。
皆さんは何を基準に建設建築の仕事を選びましたか? そしてこれから選びますか?
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Bon declic株式会社
代表取締役 岡 竜也
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