労災保険
2016/12/11
土木建設業界の最新動向!ICT活用による生産性向上と事故防止
こんにちは。
今回は人材不足解消に向けた、最新の動向についての記事を紹介します。
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土木建設業界では、2020年に向けて人材不足が懸念さている。国土交通省は、土木建設現場における生産性向上と死亡事故ゼロの実現に向けて『i-Construction』を推進している。i-Constructionとは、ICT技術によって建設現場の生産性を向上させる取り組みだ。
日本キャタピラーでは、i-Constructionの認知拡大と、ICT建設機械の普及のため、建設工事事業者向けの説明会を随時実施している。
建設現場のプロセスを大雑把に分けると、測量→設計→施工→検査と続く。i-Construstionとは、これらのプロセスをICT技術によって生産性の向上を目指す取り組みである。具体的に言うと以下のようになる。
測量:ドローンによる写真データによって3次元測量
設計:測量データを3次元設計データに変換
施工:設計データによってICT建設機械を自動制御し施工を実施
検査:ICT建設機械の稼働ログによって検査を実施
国土交通省は、競争領域と協調領域を分けることで業界の健全な進化発展を促している。例えば、上記でポイントとなる3次元設計データについては、業界共通のフォーマットを制定しており、事業者間の健全な競争を促進する環境づくりを意識している。
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生産性の向上と事故防止、この二つのテーマは人材が不足することにより、中長期的な視点で見ると影響を受けやすい内容である上、人材教育や試行錯誤(時には実際の事故という経験)を通じて獲得できる技術に等しいので、即戦力として代替することが難しいものです。
即戦力での代替が難しい理由として、新しい人材は既存の職人や社員の技術レベル熟知やコミュニケーションがスムーズでない場合も多く、連携不足を誘発しヒューマンエラー等に繋がってしまうことが多いことです。
ICTは総務省が情報通信技術を活用した取り組みとして旗を掲げており、官公庁レベルでも横の連携を進めているもので、建設建築業界での情報技術導入による最大のメリットは進捗管理・工事詳細の可視化とデータ化による正確な把握、危険予知や教育分野での情報収集・共有の高速・可視化であると思います。
人手不足の中で、中小規模の現場の監督は複数の現場を併用管理していることも多く、正確に現場ごとの進捗や状況を管理することは時間・精神・肉体的にも厳しいものがあります。また、現場で得た情報を施工業者や施主と共有した柔軟な対応も求められます。
これらの問題を解決していく手段の一つがICT技術ですが、いきなりICT化を進めることは、現場でのオペレーションや人材の教育や準備も整っていない状況下では難しいので、明瞭で比較的理解しやすい測量や設計・写真データから進めていくことが良いと感じます。
そして、情報技術の本質は中抜きにあり、個々の企業や部署・職種関係なく、情報共有が図れ、インフラの共有すらも可能となります。情報やインフラをうまく活用するためには、多様性に富んだ柔軟な組織作りと、人材育成、情報収集能力も重要になってきます。
あくまでも、情報技術は手段です。まずは自社の職人や社員の仕事内容や価値観、会社としてのスタイルや戦略を熟考し、そこに合わせて情報技術等の手段を導入すべきであると思います。中には逆(手段やシステムに仕事を合わせてしまう)の場合が見られることがあるので、技術やシステムは仕事に合わせて、道具や手段を上手く活用するという考え方が重要であると思います。
ICTの連携により、必要な人材や能力も変化し、業界自体の体制や慣習を、時代のライフスタイルや価値観に合致させていくことが変化への対応力であり、生き残る手段なのかもしれません。
新しい手段や道具を、今の体制や仕事にマッチさせるためには、全く異なる業種や業界の方々との連携や知恵が欠かせなくなります。そのためには、外との交流を活発にし、良いアイデアが生まれる環境作りが最優先であると思います。
良いアイデアや活発な議論を促進する方法については、次回検討したいと思います。
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Bon declic株式会社
代表取締役 岡 竜也
mail:transnationalholdings123@gmail.com